Y版山姥日記

旧山姥日記

2月の読書記録

読んだ本の数:5
読んだページ数:1495


アントキノイノチアントキノイノチ感想
なぜ、図書館でこの本を手に取ったのか。芸能人の書物もそうだけど(「火花」は1ページ読めなかった)ゲイジツの作品も芸能人のものというだけで拒否反応を起こす山のオバちゃんなのに。繭の上に青年がいて、その青年の背にはウスバカゲロウの羽のようなもの。その表紙に惹かれたのかもしれない。しかも、この本のお題はふざけているといつもなら拒否というより無視するはずだ。けれども、狭量なワタシの心は読後「申し訳ありませんでした」と誤ることに吝かではなかった。食わず嫌いって損するんだな。心の再生は難しい。難しいけどできるんだね。
読了日:02月28日 著者:さだ まさし


かがみの孤城かがみの孤城感想
中学生だったのは50年以上も前で、中学生の心理を思い出すまで困ったぁと思い乍らも読了。エピローグで心を打たれた。喜多嶋先生の想いに少し感動した。そして、ワタシが年を取ったことをしみじみと感じた。3月に中学時代の友人と50年ぶりに会う。楽しみだ。
読了日:02月18日 著者:辻村 深月


異類婚姻譚異類婚姻譚感想
長いこと夫婦をやっていると何所となく似てくることはあるとは思う。けれども、年を経て食べ物の好みはお互いに幼いころの味に戻ってゆくというのが現在のワタシ。このご本、怖い。怖いけど、哀しい。怖いから哀しいのか。山芍薬になれたなんて素敵じゃない。もっと何でもない意味もないものに変わってしまうと思っていたら、とてつもなく美しく清楚になってしまうなんて、初めて読んだ作家なんだけどいいヒトだなぁと思った。
読了日:02月11日 著者:本谷 有希子


ウィステリアと三人の女たちウィステリアと三人の女たち感想
遅ればせながらというか、なんというか。川上未央子さん初読みで、なんでこの人の本を読まなかったんだろうと少し反省。表題作に頷く。難しい表現はないのに少し難しい。心の内は十人十色千差万別。「おんな」という一括りは大嫌いだけど、あえて「おんな」という捉え方をすると「ソウよねぇ」と同感する心の底が見える。面白かった。
読了日:02月03日 著者:川上 未映子


滅びの園 (幽BOOKS)滅びの園 (幽BOOKS)感想
地球が救われたって感じがしないなぁ。どこか大災害を思わせるようだ。「夜市」も「金色機械」も哀しい話だった。この「滅びの国」も哀しい。世界は哀しさで充満していると、言いたいのかなぁ。大変面白かった。だけど、前にも読んでいるんじゃないかという疑念が沸々と・・・。まぁ、そういうお年頃だから仕方がないわね。
読了日:02月02日 著者:恒川 光太郎