Y版山姥日記

旧山姥日記

6月の読書記録

6月は初めて読む作家が多かったなぁ・・・。

読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2150ページ


http://ecx.images-amazon.com/images/I/51s2xiUbpBL._SX100_.jpg恩寵感想
なんていう小説なんだろう。この作家がどういう人なのかは知らない。初めて読む作家だから。美しい話だ。お雛様の話がある。二組のお雛様のこと。奇しくも、ワタシのお雛様も二組あって、母の親友が作ってくれたもの。一組はその親友のお嬢さんのもので、もう一組は私のもの。何年も飾っていないけれど、母から娘へ、そうしてその娘たちへと受け継がれている。生きとし生けるものすべて、命は受け継がれていくものなんだねぇ。と、いうお話だった。
読了日:6月29日 著者:ほしおさなえ


http://ecx.images-amazon.com/images/I/510ydYOw-%2BL._SX100_.jpg三軒茶屋星座館感想
三軒茶屋は育った町から遠くない。中学生の時、三軒茶屋にある世田谷消防署の弁論大会で上位になりスパイダースの「夕陽が泣いている」を買ってもらった。370円だった。と、この本を読んでいる間、小さいころのことを思い出していた。北森鴻の「香菜里屋」も三軒茶屋ではなかったろうか。シリーズ物らしい。ハマりこんだら大変なことになるかも・・・。月子ちゃんの運命や如何にってことになるのかなぁ。
読了日:6月28日 著者:柴崎竜人



http://ecx.images-amazon.com/images/I/41yuTZrCZpL._SX100_.jpg僕は、そして僕たちはどう生きるか感想
梨木果歩さんはワタシより年下だ。ワタシは、嘗てニッポンの若者たちが自己を大人たちに向かって爆発させた世代のすぐ下。この本を読みながら思ったのは70年安保の頃のこと。しかし、あの頃ワタシは高校生で14歳ではなかった。14歳という年齢は不思議な年齢で、石田衣良氏も書いているけれど、この本は哲学的で難しい。こんなに難しいことを考えたり難しい語彙を持っている14歳がいるかしらと訝しい。大人になってこの本を読んだワタシに群れは必要だろうか。幾つかの群れに属しているくせに、そう思った。
読了日:6月24日 著者:梨木香歩



http://ecx.images-amazon.com/images/I/413SP5svW2L._SX100_.jpg儚い羊たちの祝宴感想
「バベルの会」というのはどういうものなのか、実態を知りたいと思うけれど詮ない事だ。「玉野五十鈴の誉れ」が一番好きかな。最後の最後で覆される・・・。そうかもしれないけど・・・。やっぱり「折れた竜骨」を書いた作家とこの作家が同一人物とは思えないなぁ。短編集だからかしらね。とは言うものの、面白くなかったわけじゃない。面白かったんだけどね・・・。
読了日:6月20日 著者:米澤穂信




http://ecx.images-amazon.com/images/I/41CGTMCBSGL._SX100_.jpgブラフマンの埋葬感想
洋子さんの作品は優しい。けれど、どこか救いがない。それでも心は満たされる。何ヶ月か前、18年生きた猫のモモちゃんが娘の腕の中で息を引き取った。その毛並みやぬくもりは忘れられない。逝ってしまってから何日かしてモモちゃんのいつものドタッとした足音を聞いた。娘は彼女の気配を感じたという。ブラフマンの毛並みと息遣いを感じながら読んだ。あの老婦人のレースに包まれたブラフマンを想像することは難しくはなかった。洋子さんの作品は優しくて哀しい。
読了日:6月14日 著者:小川洋子



http://ecx.images-amazon.com/images/I/41CiiwJyYCL._SX100_.jpgクレオパトラの夢 (双葉文庫)感想
読む本がなくなったので、夫に何かあるかと尋ねたら「この本を先に読んでいいよ」と言ってくれた。で、読み始めた途端「MAZE」シリーズの第二弾と気づく。「MAZE」って知ってる?と聞くと、夫は今読んでいると答えた。で、シリーズその2から読んでしまった。まぁいいか。夫は読むのがワタシより遅いので「MAZE」をいつ読めるかわからないけど、それでもいいや。恩田陸はやっぱり「光の帝国」シリーズよねと言いつつも、大変面白く読了。
読了日:6月6日 著者:恩田陸



http://ecx.images-amazon.com/images/I/51WKAV06HHL._SX100_.jpg虫姫―御書物同心日記感想
先の本より、ずっと題名も表紙も胸を張って読めるシロモノだ。時代を問わず、古いモノに対する執着の凄さは、いやはや、頭がさがるばかり。ワタシにはそんなこだわりはないなぁ。虎屋の夜の梅以外は。亀屋友永の松露も好きだし、福岡の鶏卵素麺も好きだし、両口屋の二人静もをちこちも・・・。とっとっと、話がずれて、これくらいにしとこ。
読了日:6月4日 著者:出久根達郎




http://ecx.images-amazon.com/images/I/51FANH8TNBL._SX100_.jpg秘画―御書物同心日記感想
図書館から夫に借りてきてもらった。「貴女は何を読むつもりだ」という顔をしていた。表紙絵が良くない。しかもこのお題だ。言い訳はちゃんとしたが、この表紙とお題では信じてもらえない。参った・・・。が、面白い。ちゃっちゃと読んだ。生まれ変わったら刺繍家になろうと思っていたけど、図書館司書もいいかなぁ。
読了日:6月1日 著者:出久根達郎







と、思ったのに、そうでもなかった。


註!!
出久根達郎著「秘画」でありまするが
妖しい本ではありません。

重ねて申しますが
決して決してそういった類のほんではありません。


本のお題と表紙の絵をご覧になってそう思った貴方さま
ちゃんとした時代物のちょっぴり推理小説的な御本であります。


ほんとうに本当にアヤシクないってば!