Y版山姥日記

旧山姥日記

2014年の読書記録

覚書です。
 
読んだ本の数:74冊
読んだページ数:22495ページ

http://ecx.images-amazon.com/images/I/512ekQVnCVL._SX100_.jpg猫を抱いて象と泳ぐ感想
たった今読了。静かな書物だった。いつか何処かで「星を運ぶ舟」の前田昌良のカバーのこの本に出会ったら買うことにしよう。そうして、また読もう。いつかきっと出会えるだろう。ワタシは書店には行かないけれど、どこかの街でふと寄ってみる気になるかもしれない。そんな雰囲気の書物だった。静謐であるが清冽でもある。小川洋子さんも「清冽」と言う言葉をこのご本の中で使っているが、「清冽」という言葉の持つ沈んでいく深さ・浮き上がってくる行動力をワタシは好きだ。またいつか会おうねと約束して図書館に返却しよう。
読了日:12月26日 著者:小川洋子
 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/61m1aMH5aLL._SX100_.jpg営繕かるかや怪異譚感想
図書館に予約してやっと手に取ったけど、一番だった(嬉)。「東亰異聞」より怖い。「黒祠の島」より怖い。「屍鬼」よりは救われている。けれど、なんとなく分かるから怖い・・・。救いがあるから少しは気が晴れる。気は晴れるけれど、快晴にまではいかない。小野不由美小野不由美たる所以だとも思う。文章がしっとりといていて美しくなった気がする。上手い下手と言うのではない。美しい文章は美しい読後感を与えてくれる。美しい文章を読める頻度はかなり低い。で、このご本は美しい。
読了日:12月18日 著者:小野不由美
 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/41DX7886YXL._SX100_.jpgぼんくら(下) (講談社文庫)感想
最後は当てが外れた。面白くなかったわけではない。おくめさんが逝ってしまうとは思わなかった。ドラマでは元気いっぱいのヒトだし・・・。それにしても、悋気とは恐ろしい。いくら男尊女卑とは言え、それはないだろうとも思う。「幽霊」の章で佐吉が哀れで仕方がなかった。なくてもよかったかな。宮部さんは必要と思ったのだろうけど。
読了日:11月30日 著者:宮部みゆき
 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/41Y4PE3MTQL._SX100_.jpgぼんくら(上) (講談社文庫)感想
某NHKのドラマを見ていて原作が読みたくなった稀有な作品だ。吟行の集合場所へ早く着いたんで読んでいたら指導してくれる方が「これ面白いわよね、おはよう」とニコニコなさっていた。あともう少しで読み終わるところだったので、静岡護国神社の「のみの市」からの帰宅後下巻に進む。のみの市を冷やかしながら歩き、下巻への思いが強かったので作句は上手くいかなかったが、それもまた是だろう。
読了日:11月30日 著者:宮部みゆき
 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/51SHB2tMknL._SX100_.jpgぬけまいる感想
一晩で読んじゃった。面白かった。痛快だった。お手軽だった。
読了日:11月27日 著者:朝井まかて
 
http://ecx.images-amazon.com/images/I/51Wp2fSCmtL._SX100_.jpgディアスと月の誓約感想
月は神秘的。月読みもディアナもみな神秘の中に生きている、と思う。ナナニの本当はなんだったのだろうか。気にかかって仕様がない。
読了日:11月24日 著者:乾石智子
 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/51aaqwJLE1L._SX100_.jpg太陽の石感想
闇は現実の社会にもある。世相のこと政治の事ではない。心の闇を抱えている人も多い。白内障の手術中、一瞬だけ闇を経験した。真闇。自分がどこにどうしているのかも時間経過も分からない。やがて手術が進み、光が戻ってきた。自分が手術台の上にいた何秒間かの闇だったが、そこに何かがいるかと思うとゾッとする。ただ、ワタシの場合は闇に潜む者のいない手術だったけど。いやいや、そういうことではなく、魔導師の心の闇は深くて恐ろしい。
読了日:11月21日 著者:乾石智子
 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/51bFEg7ReFL._SX100_.jpg天切り松闇がたり 第五巻 ライムライト感想
天切り松シリーズの5巻目。シリーズ一作目を読んだときから、盗人に説教されたくねぇと思った。今回も同じ感想であるけれど、天切り松シリーズが面白いことを否定するものではない。痛快だし、父母の生き抜いた浅草も懐かしい。浅草の地回りの親分とワタシの母の逸話は本当かしらと疑念は持つものの、あの母ならやるだろうとも思う。でも、でもね、テレビが薄くなった時代にかつての盗人に説教垂れさせる官憲っているかしら。
読了日:11月17日 著者:浅田次郎
 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/512gGjMnZ%2BL._SX100_.jpg阿蘭陀西鶴感想
井原西鶴の娘が生き短い生涯を終えたお話だったけれど、読みながら北斎の娘「おえい」を思い出していた。作家と暮らすって、とても大変だということが分かる。朝井まかてという作家を初めて読んだ。なんだか、安心して読める作家がまた一人増えた気がする、ワタシにとってのだけど。西鶴がいやな奴に描かれているようでいて、実はよい父親だったとおもう。「痩せたんじゃないか」と最後に娘を心配するところでは、娘と父の心が通ったようで涙が止まらなかった。
読了日:11月16日 著者:朝井まかて
 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/41Jrt2bIBTL._SX100_.jpg天国旅行感想
なんてこった・・・こんなに暗い、救いのない物語をしをんさんが書くなんて。と、思いはしたものの、ヒトは誰だって幾つもの貌を持っているし想念だってただ一つではない。最後の「SINK]についてだけ、何処かに救いがあるような気がしてならない。「初盆の客」にいつものしをんさんを感じた。愛は深いんだね。
読了日:11月13日 著者:三浦しをん
 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/612s7Ef017L._SX100_.jpg魔道師の月感想
前作「夜の写本師」に登場するキアルスの若き日の物語で「ああそうだったのか・・・」と納得する部分もあれば「?」となるところもある。ファンタジーと言うには少し重い内容のシリーズだ。お子ちゃま向きではないと言うことか・・・。闇を自身に取り込んだレイサンダーは正しい選択だったのだろうかとも思うけれど、我と我が身に置き換えて人生を振り返ってみると「是」と背筋の辺りで肯定している何かがいるような居ないような・・・
読了日:11月7日 著者:乾石智子
 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/51piclV5K0L._SX100_.jpg夜の写本師感想
以前読んだ「折れた竜骨」と読後感は似ている。と、言ってもこの物語が似ているわけではない。「ゲド戦記」や「「ネシャン・サーガ」は子供達がまだ思春期前に一緒に読んだけれど、それらの物語よりもずっと日本的。当たり前よね、作家がニッポン人なんだから。これもシリーズ物だから、これから何冊読むのかな。楽しみです。
読了日:11月2日 著者:乾石智子
 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/41cAY5-9ooL._SX100_.jpgユリゴコロ感想
人を愛するって大変なことなんだね。最初はおどろおどろしいけれど、最後は愛の物語りだったと安心する。けれども、本人たちはいいよね。残された息子たちはどうやって思いを昇華させていくんだろうか・・・
読了日:11月1日 著者:沼田まほかる
 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/51wIa8JhEaL._SX100_.jpg痺れる感想
ひぇ~~~・・・とおもったけれど「ユリゴコロ」読書中。もうちょっと正座する気分で読ませていただこうかな。
読了日:10月29日 著者:沼田まほかる
 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/4106oj5pl3L._SX100_.jpg感想
久しぶりに芥川賞受賞作を読む。シュールだなこの人。面白かったかつまらなかったかもよく分からないので、図書館に返すまで間があるからもう一度読んでみよう。でも、きっと分からないんだろうなぁ。シュールだもん。
読了日:10月27日 著者:小山田浩子
 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/61W7ycSPcrL._SX100_.jpgオーリエラントの魔道師たち感想
シリーズ最新刊の短編集を最初に読んじゃった・・・もう少し調べればよかった。で、調べて図書館に予約。しばらく待つらしい。何がどうなってるんだか・・・ね。まっ、最初を読めば何とか分かるだろうから、いいかぁ。
読了日:10月27日 著者:乾石智子
 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/41TNTW0QBKL._SX100_.jpg丹生都比売 梨木香歩作品集感想
どのお話も切なさが残る。「コート」「夏の朝」が好きかな。けれど、なんだか物足りない思いはなんだろう。どうしてかな。病み上がりだからかな。
読了日:10月25日 著者:梨木香歩
 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/51418FYSTGL._SX100_.jpg背の眼感想
白内障手術で二泊三日で入院のために持っていった。いやはや、入院中にホラーを読むのは如何なものか。と、思ったけれど・・・。まっ、そんなに怖いこともなく、自分自身の経験のほうがよっぽど怖い。文章にする才能がないのでホラー小説はかけないけれど、笑いながら怖いお話をするのは得意♪ そうか、京極堂の話に似てるんだ。巻末の選者達の文章を読まなきゃよかった。偉い先生達も昔は新人。オバちゃんはね、偉い人たちの若者を育てる力量を憂うよ。でもまぁ、術後の病室で片目に眼帯で目の中の傷も痛いしという状況で読むのもいい経験だった。
読了日:10月22日 著者:道尾秀介
 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/41-RxPh7QcL._SX100_.jpg骸の爪 (幻冬舎文庫)感想
再読か、再々読か・・・ミステリを何度も読めるの?と聞かれることがあるけれど、犯人が分かっていても細部を読み込むことは楽しい作業だと思う。初めて読んだときも「シリーズ」の前作を読んでないわと反省し、今回もまたそう思っている自分に笑えた。今度こそ、読もう。
読了日:10月17日 著者:道尾秀介
 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/41qeMp74cOL._SX100_.jpg注文の多い注文書 (単行本)感想
入院中に読んでました。二泊三日の短期入院ですが・・・やっぱりステキ。
読了日:10月8日 著者:小川洋子,クラフトエヴィング商會
 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/51lfMSbJMvL._SX100_.jpg煌夜祭 (中公文庫)感想
野暮用で感想文が遅くなっちゃったのでよく覚えていないかも(年は取りたくないわねと一応言ってみる♪)ファンタジー小説は難しいと思う。沢山読んだけど、どれも似通ったところがあって、それはニッポン人の琴線に触れるのだろうけど、そこを深く掘り下げられるか否かがその本の持つ印象を大きく変えてしまうのだろうなぁ。その中でも「童話物語」を読んだときの驚き、心の動揺は今でもよく覚えている。で、このご本。難しいね、よく考えて読まなくちゃならなかった。面白いという点では高得点だけど、ちょっと難しいね。
読了日:9月17日 著者:多崎礼
 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/515c1eIFu5L._SX100_.jpg小説 図書館の主 塔の下のライブラリアン感想
マンガがあるって知らなかった・・・。マンガのノベライズと言うのもが存在するっていうのも知らなかった・・・。で、マンガっぽい。当たり前か。しかし、作中に出てくるボルヘスの「伝奇集」を図書館で借りてきてこれから読もうと思う。こんな子供向けの図書館があるっていいよね。ウチにもたくさん本があるからと、よからぬことを妄想してみちゃったりして。今から司書の資格取るのは無理だな。諦めよう。などと考えるくらい魅力的な設定だったわ。
読了日:9月9日 著者:真堂樹,篠原ウミハル(原作・イラスト)
 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/61X-I4N087L._SX100_.jpgすえずえ感想
久しぶりの新刊で、面白かった!於りんちゃんが許嫁になったのねぇ。思った通りでオバちゃんは嬉しいよ。兄やんたちもちゃんと帰ってきたし、若旦那は少しオトナになったし、いつもの風景がそこに繰り広げられているって、すごく安心するのよね。神様も妖もしっちゃかめっちゃかな世界がたまらなく心地がいいのよねぇ。
読了日:9月7日 著者:畠中恵
 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/51vd8UTqGXL._SX100_.jpg平凡感想
ブログのお友達、ぶらちゃんに教えてもらったご本。う~~~~ん・・・。ワタシは離婚したことが一回もないので深いところで理解できないかもしれない。最後の「どこかべつのところで」を読んで、やっと心が落ちついた気がする。いろいろなタイプのオンナの人が出てくるけど自分がこの範疇に入らないと願っているが、きっと重複してこのオンナの人たちの深層心理を持っていると思う。私だって、難しいオンナなのだ・・・たぶん・・・。このご本の作者を「魔女の宅急便」の角野栄子と混同していたことは内緒ね。
読了日:9月6日 著者:角田光代
 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/5102mG2CimL._SX100_.jpg蜩ノ記 (祥伝社文庫)感想
たった今、読了。先ずは教えてくれた小鈴木さんに感謝を。最後は号泣。ただ、こんな立派な人ばかりではなかろうとも思う。「黒書院の六兵衛」のような得体の知れない真直ぐとは違う。秋谷の立派さはもとより、百姓の子の源吉の生き様もすごい。真直ぐに生きることは、本人は納得付くの厳しさだろう。けれども、その真直ぐさに巻き込まれ感化され後に続く者の気高さもすごい。おへそが横っちょに付いていてぐうたらな自分を愛おしむと共に、ちょっぴり気高くありたいと思う自分もいると思いたい・・・
読了日:8月24日 著者:葉室麟
 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/316Jv8CNx4L._SX100_.jpg不思議な羅針盤感想
エッセイとか随想とかは読まないのだけど、タイトルに惹かれたので・・・ところがこのタイトル、編集者がつけたとか。なぁんだとがっかり。梨木香歩さんは私より少しお年が下だけど、ものの考え方は理解できるし、共感できる。鴉とのおしゃべりはワタシは出来ると思う。しかし『聞き耳頭巾』を持っていないのでワタシは挨拶程度しかしないけど、彼らはとてもおしゃべりだ。と・・・これからもやっぱりエッセイは読まないだろうなぁ。このご本は面白かったけど。
読了日:8月9日 著者:梨木香歩
 
http://ecx.images-amazon.com/images/I/51YXSV0GPML._SX100_.jpgりかさん感想
「からくりからくさ」を先に読んでしまっていたので、マーガレットが何者なのかよく分からなかったが、繋がっていて一安心した。「からくりからくさ」4人のめぐり合わせの不思議さは不思議でもなんでもなく「りかさん」がいたからこその事だったのね。母が愛した私の雛人形も来年こそは飾ろうかと思ったけれど、出さないだろうなぁ・・・いろんな想いを思い出させくれるご本だった。嗚呼、いつ頃からお人形と話さなくなっただろう。思い出せないくらい前から日常に流され暮らしてきちゃったからなぁ。これからは・・・どうかしら。
読了日:8月4日 著者:梨木香歩
 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/316%2BsUoJqZL._SX100_.jpg『秘密の花園』ノート (岩波ブックレット)感想
図書館のHPで梨木香歩さんを検索したら、この本を発見。「秘密の花園派」としては読まねばならぬと予約。71ページしかないので即読了。しかし、この71ページが小学生から読み続けた「秘密の花園」の景色を一変させた。ワタシは何を読んでいたのだろう。小学校の図書館で見つけた『鉢担ぎ姫』と『秘密の花園』『次郎物語』はその後のワタシの読書人生を決定付けたのだけど、なんとまぁ、ワタシの本の読み方の浅はかさ・・・と嘆きつつ、また『秘密の花園』を読み続けるぞ!と決意させてくれた。せっかく持ってるんだからまた読もう。
読了日:7月31日 著者:梨木香歩
 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/515CJA9R4BL._SX100_.jpgからくりからくさ (新潮文庫)感想
「りかさん」を先に読むべきだった。先に読んじゃったものは仕方がない。糸を染め布にし、作品に仕上げてゆく。友人がずっとやって来た仕事だ。根気の要る、才能も必要で繊細さは必需だし。人形に対する想いは人それぞれだ。母が愛した私の雛人形は祖父の箱書で我が家の押入れに静かに何十年も眠っている。蓉子と一緒に住むマーガレットは菊科の植物で、あとの二人は与希子と紀久「ヨキコトキク」 じゃぁ、蓉子の名前の意味は?とにかく「りかさん」を借りて読んでからこの胸のもやもやは消えないだろう。金田一耕助も思い出しちゃったりして・・・
読了日:7月29日 著者:梨木香歩
 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/510eDM%2BrXRL._SX100_.jpg海うそ感想
直前に読んだ「ピスタチオ」では巻末に『棚』の書いた小説がある。この「海うそ」では巻末に『50年後』が描かれている。50年と言う年月は若いころは永遠の向うにあるとしか思えなかったけれど、こうして50年前のワタシは確かな記憶として在るというとき、今現在50年前を思い返してみると、一つの事柄が扇の要のようになって思い出は広がっていく。50年前に理解できなかったこと感じることが出来なかったものが50年後にはちゃんと切なさと哀しみをフィルターにして己が心に沈殿していくのが分かる。沈殿したものは浮き上がってくるか。
読了日:7月29日 著者:梨木香歩
 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/51opKLAFLoL._SX100_.jpgピスタチオ感想
どうも・・・なんというか・・・梨木香歩さんのご本は、前半と後半で全く違う(と、思える)事象に読んでいるワタシは自分がボケたのではないかと読み返す羽目になる。で、それが魅力なんだけど、作者は文章にしていないのにすべてが繋がっていることを理解させてくれる。人生、長いこと生きているといろんなことに遭遇するし、摩訶不思議な現象にも出会うけれど、必然なんだと理解している。同じ思いなのかなぁ。
読了日:7月19日 著者:梨木香歩
 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/51T9VDKKG8L._SX100_.jpg村田エフェンディ滞土録感想
「家守奇譚」にも登場した「村田」が土耳古に滞在中と帰国後のお話で、不可思議なことは沢山あるけれど、最後は悲しい。鸚鵡の「友よ」の一言の重さが胸に迫ってくる。やっぱり、どうしたって、戦争はいけないのよ。
読了日:7月15日 著者:梨木香歩
 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/41zmMvGVp6L._SX100_.jpgf植物園の巣穴感想
冬虫夏草」よりもっと不可思議な前半。そうして読み進めていくと、結末は予想通り。けれど、引き込まれる。得体の知れない底無し沼のように物語が進んでいくので油断は禁物だった。さて、次だ・・・
読了日:7月5日 著者:梨木香歩
 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/51lxiywYHhL._SX100_.jpg朱鳥の陵感想
最後が恐ろしい。鸕野讚良。この本の前に読んだ「まほろばの王たち」では聡明な少女であったのになんと恐ろしい人なんだと思う反面、一人の男を愛し、他の妻達に嫉妬した古代の一人の女とも思ったり。しかし「春すぎて夏來にけらし白妙の 衣ほすてふ天の香具山」の歌解きが凄まじい。そうしてあの最後。ひぇ~~~!!と背筋が・・・
読了日:7月2日 著者:坂東眞砂子
 
 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/51qc73SiCNL._SX100_.jpgいつもが消えた日 (お蔦さんの神楽坂日記)感想
前作「無花果の実のなるころに」を昨日読み終えて、今日これを読了。ほのぼのと江戸っ子の優しさを描いているわけでもないのに、なんとなく甘ったるい想いが残る。望郷だろうワタシ自身の。あっという間に読んじゃったけど、もう一度読んでもいいな。
読了日:6月24日 著者:西條奈加
 
 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/41Yc16RkMEL._SX100_.jpg製鉄天使感想
今朝方読了。北森鴻と同じ雰囲気かと思って借りたけど、全く違っていて・・・まぁ、これはこれで面白くて一気読み。ディテールに無理があるなとも思ったけど、活劇と思えば、これもまたよし・・・かな。
読了日:6月21日 著者:桜庭一樹
 
http://ecx.images-amazon.com/images/I/41qeMp74cOL._SX100_.jpg注文の多い注文書 (単行本)感想
いつもの通りの図書館から借りた本で、読み終わった後、注文。長野まゆみの鉱物の本も荒俣先生の図鑑も机のそばにおいてあるから仲間入りさせようと思う。「ないものあります」の仲間だね。こういうの大好き。クラフト・エヴィング商會のご本も大好き。孫が騒ぐから「ピタゴラスイッチ」にします・・・
読了日:6月16日 著者:小川洋子,クラフトエヴィング商會
 
http://ecx.images-amazon.com/images/I/51oK3gCbtFL._SX100_.jpgミーナの行進 (中公文庫)感想
今度の日曜、45年ぶりに友人に会う約束になっている。そんな約束をしている最中に読み始めた。1972年と言えば、日曜に会う友人と最後に会ってから3年か4年後の事。ワタシは既に大学生だった。この1972年の中学1年と小学6年の少女達の感性の鋭さ。劇的な一年間。沢山のことがあり、少女達は少しずつ成長する。コビトカバのポチ子や登場人物の顔さえ想像が出来るのは挿絵によるのだろうか。少女の頃の早熟さを思い出しながら、号泣しながら読んだけど、ミーナと朋子が再会した時の会話が聞きたいと思う。大人になることは素敵なんだよ。
読了日:6月12日 著者:小川洋子
 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/21D9WADQVVL._SX100_.jpg虚無への供物 (講談社文庫)感想
随分と長いこと掛かって読了。この本を飛んでいる間に何冊か読み終わっている。この本に二十代のころ出合っていたならば一週間も掛からなかっただろう。それほどに古色蒼然としている。「面白くなかったのか」と問われれば「面白かった」と答える。金田一耕介シリーズを読み終えたときの気分に似ているが、あれは今から20年も前のこと。長さも重さもそうだけど、読み応えは充分。でもオバちゃんは再読しないなきっと・・・
読了日:6月11日 著者:中井英夫
 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/41voQ2hH6ZL._SX100_.jpgまぐだら屋のマリア感想
娘と孫を死に追いやった人間を許すことは絶対に(この世に絶対と言うことはないのは分かっているが)ないと思う。そのニンゲンがどのように償おうと思っても、母の憎しみはそんなに生温くはないはずだ。けれども「まぐだら屋のマリア」は『マリア』ではなく女将さんなのかもと思うと、理解は出来なくもない。マリアの結末はあまりに安易に過ぎる・・・と、思う。と、書いたけど一気読みで面白かったのよ。
読了日:5月26日 著者:原田マハ
 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/41EAGT6kjXL._SX100_.jpg政と源感想
面白かったけど、なんか・・・軽いな。若い人が老人の心情を描くのって難しいのかな。
読了日:5月9日 著者:三浦しをん
 
http://ecx.images-amazon.com/images/I/51MV3WF7KWL._SX100_.jpg月魚感想
またやった。前に読んだ本だった。最初は気付かず、そのうち「ありゃ?」と思い始め、そうしてやっと納得した。なので再読。しかし、父と息子の再会の時、父親はあんなふうになるだろうか。息子に対する父の思いは敵対ではないよね、きっと。
読了日:5月6日 著者:三浦しをん