2月のある日・花を待つ日。
孫が来ていたり、大雪が降ったり
確定申告や山姥村の区長のオカアチャンとしての仕事だったり
不本意なことに忙しかった日々。
いつもの年よりずっと遅かったオオイヌノフグリの花が
そこここで咲き始め
空の青さと花の青さが
呼応しているかのように思え
やっぱりこの花の名前は可哀想だけど
それでもこの青さは潔い。
柔らかい青さなのに冬の寒さには
挑戦的でさえあるように見える。
20年以上も前
その頃、クリスマスローズなんていう花の名前も知らなくて
田舎の花屋さんにだって 苗は売ってはいなかった。花もだ。
それなのに、近所の老夫婦の隠居所には沢山咲いていて
その季節になると花束にしてくださった。
ある年、花が咲いているまま引っこ抜いて何株も頂いた。
花束を頂いたとき
花が萎れてきたら花瓶に氷を入れてね
と、奥様が仰っていた。
半信半疑で氷を入れると
花はしゃっきりとした。
去年は咲かなかった白花も
今年は早々と咲いて
なんだか得した気分にさせてくれた。
もしかしたら去年は
気付かなかっただけかもしれない。
毎年買うヒヤシンスも
今年は玄関に置きっ放しにした。
孫が悪戯しないようにだが
暖かい部屋よりずっとは
長く咲いていて
玄関にとてもよい香りが
漂っていた。
毎年買うので
花が終わると外に植えなおす。
植えっぱなしにするので
ミニヒヤシンスになる。
そのミニヒヤシンスたちは
もう直ぐ咲くのだろう
つぼみが見えてきている。
この花たちはまだ雪の残っている日の仔たち。
真っ青な空に音もなく銀色に光る飛行機。
その飛行機が雲を引き
そのうち爆音が聞こえてくる。
飛行機雲って不思議。
はるか上空を飛んでいる飛行機は目を凝らさなければ見えないに
飛行機雲は何気ないときに目に入ってくる。
一直線に青空を切り裂く飛行機雲に
希望を見出すのはワタシだけではないだろう。
そうして
今年も桜は咲く。
2月26日午前9時43分頃
桜の花芽も日に日に膨らんで
爛漫の春が待ち遠しい。