Y版山姥日記

旧山姥日記

浅田次郎さまの「中原の虹」読了

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                          中原の虹
        全4巻
 
     浅田次郎 著
     講談社 刊
 
 
 
 
わが勲は民の平安
 
この言葉が繰り返し出てきます。
 
コラッ!ニッポン政府政治家役人聞いておるか!!
と、言ってやりたい言葉です。
 
 
さて、
静岡駅ビル5階の本屋さんで何を血迷ったのか
それまで風貌が嫌いと言って憚らなかった浅田次郎様の
「蒼穹の昴」「珍妃の井戸」を文庫ながら大人買いをしたあの日から
ワタクシども山姥家の読書人生が大きく変化を遂げました。
何遍もこの山姥日記に書いておりますが
蒼穹の昴」4冊を前にして膝を折り両手をついて
「大変申し訳ございませんでした」と深々と頭を垂れたあの日も懐かしく・・・
 
 
今回は何処ぞの古本屋さんで4冊セットで太っ腹が購入して参りました。
(↑あらすじなど、詳しいことはココをクリックしてくださいませ。)
 
今回はワタクシが密かに敬愛し、また参考にさせて頂いているブログから
いろんな事をちゃっかりと頂いて参りました。
ざれこさまありがとうございます<(_ _)>
 
 
浅田次郎様のご本を読むにつけ
同世代だって言うのに、なんでこんなに違う人生を歩まねばならぬのか
とか、
同世代だって言うのに、才能の有無の有り様に愕然とした
とか、
そりゃ一番に人の外見で判断してはいけないと思いましたが
この外見というのは、決して美醜ではなく好みの顔か否かの問題で
ワタシはどちらかというと、いえいえ、絶対に美しい少し色つきの彫りの深い
のが、好みでございますです。
 
ストーリーテラーとはかくあるべきという指針をワタクシは持ってはおりませんが
浅田次郎様のご本は涙し、膝を振るわせ、大口開けてガハハと笑うという
読み手にとって至って忙しいお作たちではございまする。
今回も泣き泣き号泣し、下品な笑いと呵々大笑とが綯い交ぜで、考え込みもし
大変忙しい一週間でございました。
 
あの春児が兄と出会い、兄の春雷は妹の玲玲と再会し、
ワタクシはご本を持ったまま、声を上げて泣きました。
また西太后と光緒帝とのテレグラムでのやりとりも声を上げて泣きました。
稀代の悪女と言われて、ワタクシもそう習ってきた西太后の志の高さに驚愕し
また、如何なる理由があろうとも馬賊許しがたきと思っちゃって、
それでは物語を読み進められないと反省したりも致しました。
 
まだこの続編があるらしく
「マンチュリアンレポート」と言うご本だそうですが
今は、満州の風に吹かれるババァのつもりで
中原の虹をワタクシも追いかけていようと思いまする。
 
 
太っ腹と話し合いましたです。
児玉清さんが亡くなられて、我が家の読書の歴史の変革の時だねと。
いつだったか、児玉さんがマイケル・クライトンのご本の事を話しておられました。
ワタクシはなんの本だったか忘れてしまいましたが
その番組から程なく、太っ腹はマイケル・クライトンの大ファンになりました。
また、内田樹さんの「日本辺境論」も児玉さんの一言で購入いたしました。
そういうご本が山姥家には沢山あって、
児玉清さんの言に随分と影響されてきた日々でありました。
あの方がご本のお話しをしている時の熱さは伝染するモノでございます。
その児玉清さんが亡くなられ、ご冥福をお祈りすると共に
我が家の本の先達を探さねばと少なからず焦っております。
 
 
 
 
読書とは不思議なモノで
若い頃(17才でございますがワタシ)は夫婦それぞれが違うモノを読み
感想を話し合うこともなければ、互いの好みも知らないと言う状態でした。
が、年齢を重ねていくと
ご本を探す手間よりも、その辺に転がっているご本を読めばいいと思い始め
次第に、次はどれを読めばいいの?とお互いに聞くようになり
感想を討論し合うようになりました。
 
仕事のことや子育てのことで議論することがなくなった昨今は
ヘタな感想を述べると鼻先で嗤われるので気をつけねばと思うようになりました。
お互い様ですけれど。
 
 
ナントカという電子書籍が横行するようになりました。
息子に見せて貰って感動も致しましたが
やはり、ずっしりと手に重く、インクの匂い紙の匂いを味わいながら
紙のご本を読むことは止められそうもありません。
 
中原の虹は何処へ行っちゃったかな・・・