5月13日の富士山・息子へ
5月13日
午前8時28分
25才のお誕生日おめでとう
今日はとてもよく晴れていて
少し冷たいけれど気持ちの良い風が
君の生まれ育った村を通り抜けています。
君が人生の伴侶を決めたこと
母はとても嬉しく思っています。
父さんもとても喜んでいるのです。
君の父も母も
心の奥底にあることを素直に伝えることが不得手なので
君にも彼女にも不快な思いをさせているのではないかと
母は少し不安です。
特に、あの父さんの言動を許してやってください。
本当に子ども達のことを愛しているのです。
それだけは間違いありませんから。
君はよく分かっているだろうけど
彼女に弁明しておいてください。
母の不用意な発言も許してください。
悪気は全くありませんから。
何を言い訳しているのだろう。
そう思いながらも
裏山の風に揺れる桧の枝を眺めている。
陽光は眩しく
柿の葉はキラキラと輝き
桜は気持ちの良さそうな木陰を提供している。
小鳥の声もあまり聞こえない昼下がり
息子の生まれた日を思い出す。
いつかきっと
いろんな事を懐かしく思い出すことがあるだろうけど
君は君の人生を歩んでください。
君の部屋の窓は眺めが良いね