Y版山姥日記

旧山姥日記

10月21日

午後5時15分
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10月22日

午前9時54分
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10月23日

午後5時6分
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10月24日

午前10時43分
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          鬼を見た

          そう思った。



          己が身のうちに棲む鬼をワタシは知っている。
          怒りに身を任せ 憤怒する自分の身に棲んでいた。
          いつの頃からか
          その鬼と折り合いを付け なんとかここまで漕ぎつけている。



          その日 現われた鬼はそうではなかった。

          静かに、しかし 肩だけが小刻みに震えている。

          その口から吐き出される言葉は、鬼だ。

          聞かねば、ここで耳を塞いではならぬ。

          
          焦点の定まらぬ瞳は澄み

          澄んでいる瞳は哀しい。

          救いを求めている。

          しかし、その救いは自身で見つけなければならぬと信じている。

          誰の手も借りることはないだろう。


          その言葉は続く。

          その言葉は聞いているものを悲しみの渦に巻き込み

          その渦は澄み切っていて暖かい。



          コレは

          鬼ではない。決して鬼ではない。

          言葉は鬼そのものだが

          鬼であろう筈がない。

          こぼれ落ちる涙も哀しい。

          哀しいが清らかだ。

          潔い。


          絶望と諦念とに魅入られてはいるが

          愛なのだと思う。

          愛は美しいと思った。