山里はしっとりと梅雨の先触れ
午前10時19分
深夜の山姥村は カエルたちの声が賑やかで
冬の夜のような静けさはない
重い大気に押しつぶされそうだけれど
紫陽花が咲き始めているから
雨の日も庭を巡回する元気が出てきている
そんな事にさえ
有り難いと思う気になれるのは進歩だと実感する
頑健を誇っていたときには
自分の体力を過信し いつも元気でいられると思っていたのだ
我と我が身をいたわることを学習させて頂いた
先日の寄り合いで太っ腹が仕入れた情報は 有り難くなかった
山姥家の裏山の際にある竹林に 熊の足跡が発見された
「太っ腹さんの家は本当に気をつけた方がよい」と・・・
小次郎が夜更けに吠えまくっていたのは熊だったのか
尻尾ふさふさの狐とばかり思っていた
夜明け前に痛みに耐えかねて起きたとき
狐と見つめ合ったことがあったからだが
傍に熊もいたのだろうか
しかし
熊に気をつけろと言われても
どうやって気をつけたらいいのか分からない