Merry X'mas

１２月２４日(水)

午前１１時４８分

　　　　　　　　子供たちが小さな頃
　　　　　　　　世間では まだクリスマスのイルミネーションなどしていなかった
　　　　　　　　喫茶店やデパートや商店街では
　　　　　　　　クリスマスツリーに赤や金銀のモールが飾られ
　　　　　　　　窓には白いスプレーで雪が描かれ
　　　　　　　　トナカイに引かれたそりに乗るサンタさんが貼り付けられていた

　　　　　　　　そんな頃
　　　　　　　　山姥家では小さなもみの木を買い 火鉢大の植木鉢に植え
　　　　　　　　金色の小さなベルのついた鎖や作り物のリンゴを飾った
　　　　　　　　小さな電球も瞬かせて 窓にも白いスプレーの雪を吹き付け
　　　　　　　　クリスマスキルトを飾り・・・

　　　　　　　　クリスマスのケーキに３人の子供がクリームを塗り
　　　　　　　　お世辞にも美しいとはいえなかったが 美味しかった
　　　　　　　　小さなおにぎりを作り ツリー形に並べ命の木に見立てた

　　　　　　　　夜遅くまで大騒ぎしていた子供たちが寝ると
　　　　　　　　ミシンでジャッジャと縫った小袋にチョコを詰め
　　　　　　　　お父さんサンタが子供たちの枕元に置いた

　　　　　　　　子供たちが大きくなった時
　　　　　　　　「ウチに来るサンタさんは どうしてチョコしかくれなかったの？」
　　　　　　　　そう言っていたが 明らかにサンタさんは親だと知っているようだった

　　　　　　　　今では
　　　　　　　　子供たちはそれぞれのクリスマスを過ごし
　　　　　　　　親のワタシたちは淋しいクリスマスだ

　　　　　　　　子供たちの成長を感謝し これはこれで良しとしよう