Y版山姥日記

旧山姥日記

2016年読書記録後編その3

http://ecx.images-amazon.com/images/I/41f1gp%2Be%2BtL._SX100_.jpg詩の樹の下で感想
どのページを開いても考えこんでしまう。それは帯に「FUKUSIMA REQUIEM」と書かれているからではない。詩集といえば寺山修司谷川俊太郎などで育ったので、あまりの姿勢の違いに仰け反った。この詩集は新聞の書評欄で、この詩人が鬼籍に入られていることも伝えていた。鳴り物入りの人気詩人の美しく、また鮮烈な言葉とは違っている。中原中也のようでもない。比べる詩人はワタシの脳内にいないのだ。心に染み入るのではない。そんな生易しくないように思える。確かに大震災への鎮魂なのだろうけど、普遍でもあると、思う。
読了日:4月27日 著者:長田弘
http://ecx.images-amazon.com/images/I/51qjssZ38uL._SX100_.jpg古本綺譚 (平凡社ライブラリー)感想
ビブリア古書堂の栞子さんよりも大人。40年前、結婚を機に子供時代の本を少し処分した。その中に兄から受け継いだ戦後すぐに発売された少年少女文学全集(だと思う)があって、古本屋さんに見てもらったら「買い取れない」と言われたからタダ同然で持って行ってもらった。ザラ紙にひどい印刷だったけど、戦争を知らない子のワタシには宝物だった。そんなことを思い出しながら読了。
読了日:4月19日 著者:出久根達郎
http://ecx.images-amazon.com/images/I/51BM-QEyUzL._SX100_.jpg幻想探偵社感想
そうか、青木さんやスミレちゃん・・・。気が付かなかった。年ねぇ・・・(と。、つぶやいてみる)一晩で読んで、楽しかった。大島ちゃんのこれからの健闘を祈る。祈っちゃダメかな?
読了日:4月8日 著者:堀川アサコ
http://ecx.images-amazon.com/images/I/41V9ckahQhL._SX100_.jpg雪と珊瑚と感想
久しぶりの香歩さん。そうなのよねぇ。こういうご本が読みたかったのと思いながら読み進めていくと、あれ・・・。少し強引過ぎないかなぁとも思う。かつての同僚からの手紙に至っては、こういう持って行き方は安易にすぎるのではないかとも思う。でも、香歩さんのニンゲンを信じるという想いは好きだな。
読了日:4月6日 著者:梨木香歩
http://ecx.images-amazon.com/images/I/51TC11GN7WL._SX100_.jpg冥途
読了日:4月3日 著者:内田百けん,金井田英津子
http://ecx.images-amazon.com/images/I/41j-eVd3R6L._SX100_.jpg漂砂のうたう感想
「よこまち余話」感動したのになぁ。直木賞だから期待が大きすぎちゃったのね、きっと。
読了日:4月2日 著者:木内昇
http://ecx.images-amazon.com/images/I/51FVxl2v11L._SX100_.jpg電球交換士の憂鬱 (文芸書)感想
題名に惹かれて読んだ。ん?これ吉田篤弘の本?けれど。第六章の最後に咽び泣いた。それだけだ。面白くないわけではない。それなりに面白いし。随所に吉田篤弘さん独特の雰囲気を醸し出している。なので面白くないわけではないが期待が大きすぎただけかも知れない。お題があまりに素敵だからなぁ・・・。 
読了日:3月26日 著者:吉田篤弘
http://ecx.images-amazon.com/images/I/513sIHDk0BL._SX100_.jpg愚者のエンドロール (角川文庫)感想
ワタシには3人の子供がいる。全員成人しているし、末っ子は今年31歳だ。孫もいる。学園ものを面白いと言うには薹が立ち過ぎているを通り越している。まっ、面白かった。しかし、弟という存在はネーチャンには勝てないんだなぁ。ワタシの子供は上二人が娘で末っ子だけが息子。息子が哀れに思えてきた・・・・。
読了日:2月27日 著者:米澤穂信
http://ecx.images-amazon.com/images/I/51k8c9Fw3NL._SX100_.jpg最果てアーケード感想
漫画の原作本ってどんなだろうと、思ったら・・・。普通に小川洋子さんのご本だったのでちょっとがっかり。でも何にがっかりしたのかは不明。こんなアーケードがあったら日がな一日ブラつけるのにと思う。遺髪のレース編み。母のがあったらどんなにいいだろうか。母は永遠に逝ってしまわないとあの日まで信じていた。そんなふうに思い出すのもこの本の持つある種の影響力なんだろう。小川洋子さんのご本にはそう思わせてくれるものがたくさんある。このご本もまた美しい。
読了日:2月3日 著者:小川洋子
烏に単は似合わない (文春文庫)烏に単は似合わない (文春文庫)