Y版山姥日記

旧山姥日記

5月の読書記録


読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1470ページ
 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/51cfIBqg17L._SX100_.jpg漁港の肉子ちゃん (幻冬舎文庫)感想
肉子ちゃんの大まかさ大らかさに感動する。きっと、こういう人はこの世の中にいるんだろうと思う。でも、この漁港の人々のように、丸ごと受け入れられることは難しいだろう。生き難い世の中だ。ワタシのお友達に血の繋がらない母と娘がいて、お母さんがなくなったとき駆けつけた。そのとき友人である娘が「片付けてたら、同じ片付け方なの」とつぶやいた。血じゃないんだよね。一緒に生きたという事実が大切なんだよね、キクりん。会ったことのない友人の一人が「肉子ちゃんのようなデブになる」と言った。同感だ。ちかこさまに一票。
読了日:5月26日 著者:西加奈子




http://ecx.images-amazon.com/images/I/41WWVnFXqhL._SX100_.jpg茗荷谷の猫感想
どの話も生きることが書かれているような気がする。市井の人々のお話だけど、特別な人々だと思う。「特別な人」は「普通の人」と同じなのだと思う。それぞれが普通で特別。前に読んだ「針がとぶ」と同じ様に、それぞれの話がどこかでつながっていて、前に戻るという作業を何度もした。それもまた、面白かった。パロル舎の百閒の「冥途」を注文した。読んだとは思うけど、ぜひとも読みたいと思った。 なかなかどうして、趣き深いご本でありました。
読了日:5月18日 著者:木内昇




http://ecx.images-amazon.com/images/I/610l4fcHx-L._SX100_.jpg図書館の魔女 烏の伝言感想
相変わらず、本が分厚くて重い。前作を思い出すのにも苦労した。マツリカが出て来るまでの長かったこと!途中で投げ出そうかと何遍も思った。が、読了。見掛けに騙されちゃいけない。そういうことだ。しかし、出てくるお姫様たちの(マツリカも含む)の腹の据わっていることが痛快。賢さは美醜・幼老・男女に関係なく、また人品の高潔さも同じ。だから生きることは面白いと、思う。この続きもあるのかな・・・
読了日:5月15日 著者:高田大介




http://ecx.images-amazon.com/images/I/41qyVRTm0fL._SX100_.jpg笑う子規 (ちくま文庫)感想
子規庵で購入。なかなか読む気になれなくて、読み始めて二日掛かった。子規庵でスタンプを押した。子規庵の子規が寝ていたところで寝転び、天井を見上げた。庭を見た。「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」そうだよね・・・。天野祐吉さんの解釈や一言が嬉しい。彼もまた鬼籍に入ってしまった。俳句は楽しい。けれど難しい。難しいけど面白い。作るのもまた面白い。
読了日:5月7日 著者:正岡子規







風薫る五月

いろいろなことが身の回りに起こって

けれども、それは
人生に影響するとか、感情を揺さぶることではなく


恙なく一ヶ月を送ることが出来たといってもいいような
そんな些細なことがいろいろあった
と、言うことだ。




五月の読書は
ページ数は少ないけれど

圧倒的な「強烈なキャラクター」が登場する
ご本が二冊。



子規先生と肉子ちゃんだ。


生きることに貪欲なこの強烈な個性の持ち主二人。

子規先生は実在の人物であまりにも有名だけど

もし機会があれば
肉子ちゃんにも会っていただきたいと思う。



こんなに逞しく優しい人は
ワタシの周りにはいない。


できることならこの逞しさ優しさを
我とわが身の中に取り込みたいと思った。



可笑しいのだけど、良書であると思う。