Y版山姥日記

旧山姥日記

1月の読書記録


読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1138ページ
 



http://ecx.images-amazon.com/images/I/41oL%2BTzG8IL._SX100_.jpgこの庭に―黒いミンクの話感想
あれ?「からくりからくさ」「りかさん」の続き?このミケルって子は誰?何か読んでない本があるんだわきっと・・・。けれども、大人のミケルと子供のミケルがミンクと共にあることは分かった。空虚と言う言葉が頭の中をぐるぐると回っていた、読んでいる間。絵もまた、空虚を感じるが、温かい・・・。不思議ね。梨木さんのご本はどれもあちらとこちらの絶妙な均衡の上に成り立っているような気がする。
読了日:1月30日 著者:梨木香歩




http://ecx.images-amazon.com/images/I/518BE15S1KL._SX100_.jpg海に住む少女 (光文社古典新訳文庫)感想
訳者のあとがきにあった「幻想文学」。そうだ、こういう言葉があったんだと、思い出した。日本人の根底に神道や仏教の思想が見え隠れするのと同じ様に、欧米の人の文学の根底にはキリスト教がある。キリスト者ではないので理解できないこともあるが、なんとも不条理な・・・。でも「ゴドーを待ちながら」よりは理解できたし面白かった。「フランス版・宮沢賢治」と訳者は言う。そうか、宮沢賢治幻想文学と思うと納得できることもあるなぁ。
読了日:1月24日 著者:シュペルヴィエル




http://img.bookmeter.com/book_image/SX100/no_image.gif薬指の標本感想
なんとも・・・読後感はあまりよくない。よくないというよりは不消化気味。「だから?」といいたくなるような幕切れで、あとは自分でナントカせねばなるまい。と、ここで思い至る。この読後感は表題作の「薬指の標本」のもの。「「六角形の小部屋」は最後がいい。老婦人の対応は心の奥底を少しつままれたような気がした。小川洋子さんは「グロ」的なものをお持ちなんだなと少しだけ思った。
読了日:1月21日 著者:小川洋子




http://ecx.images-amazon.com/images/I/21NsvfbmLrL._SX100_.jpg鳥と雲と薬草袋感想
エッセイとか随筆は読まないとしていたのに、二冊続けて読んじゃった。前は小川洋子の日常が垣間見えたが、今回の梨木さんのは日常ではない。「海うそ」を読んでいるような雰囲気の随筆だった。秀逸。関東生まれなので知らない地名が多かったけれど、それでもその土地のことが思い浮かぶ文章でとても面白かった。文庫があったらなぁ。ワタシの机の横のお気に入りの本棚に加えたいなぁ。都会に住んでいる人には実感として感じられないかもしれないが、峠の趣の深さ、岬の憂愁など、実に丁寧な感じがして、好きだなぁ。
読了日:1月16日 著者:梨木香歩




http://ecx.images-amazon.com/images/I/41tqZJR2idL._SX100_.jpg妄想気分感想
やっぱり、エッセイとか随筆を読むのは好きではないと確認した。大好きな作家のものでもだ。ただ、野球を全く理解せず興味も無いのに「甲子園球場」の最後の7行に泣いた。20行しかない作品なのに・・・
読了日:1月9日 著者:小川洋子






http://ecx.images-amazon.com/images/I/51733S54ZWL._SX100_.jpg感想
読了までに時間が掛かってしまった。暮れと正月を挟んでいるから仕方がないか。よく書けている本だと思う。が、あんまり好きではないかもしれない。いじけちゃってさって思う。母の束縛が問題視されている昨今、母の呪縛から逃れられない息子の話で、ウチの息子はこうじゃないといいなと思う。まぁ、ウチの息子はここまで偉い子じゃないから大丈夫か。
読了日:1月6日 著者:小山歩





ニッポン中が怒っている。
ワタシも怒っている。


けれども、読書はやめられない。



今朝はとても寒い。
薄氷が張る。
でも、陽光は春近し・・・だ。