Y版山姥日記

旧山姥日記

晩秋へ

10月8日

午前11時52分
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午後2時23分
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午後4時57分
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午後5時7分
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            台風は何食わぬ顔をして山姥村を通り過ぎた。



            昨夜 日付が替わるころ

            軒下に潜んでいたのか コオロギが鳴きだした。

            これから暴風雨なのかと危惧していたけれど

            その鳴き声を聞いて安堵し 眠りについた。


            
            今朝のこと。

            雨は上がっていたし 風もあまり強くはないのに

            昨日までと風情の違ってしまった山姥村を見た。


            裏山の下草のほとんどが寝転がってしまっているし

            雨で洗われた遠くの山々の色がまるで違う。

            何よりも違うのが大気だ。

            冷気を含んでいる。


            さすがに台風の過ぎた空は賑やかに雲が行き交う。

            眺めていたい気持ちを抑えて庭を見回すと

            玄関脇のユーカリが弧を描いていた。

            この木を直そうと持ち上げて 大笑いする。

            植木鉢から根っこは自由を求めていた。

            ユーカリ自身は真っ直ぐになったが

            植木鉢は不自然にお尻を持ち上げてしまう。

            まぁいいか・・・


            よくないのは皇帝ダリアで

            斜めになっていたのを真っ直ぐにしたが

            しばらくすると葉が萎れていく。

            せっかく3mくらいになったのに

            もうすぐその花の季節が来るというのに

            この仔はもうダメなのかと天を仰いだ。



            富士山を見る余裕などなかったかというと

            一日中 みなで富士山を観察していた。

            昨日の初冠雪がウソのように

            キレイさっぱりと山頂はいつもと同じだったが

            山腹の緑はずっと下方へ退いている。

            富士山の紅葉はきっと深いのだろう。

            



            この台風は

            初秋の余韻を残していた山里を 一気に晩秋へといざない

            その先にある冬を

            否が応でも思い起こさせてしまう。


            今朝の大気にその片鱗を感じられた。





            夕刻

            もう一度皇帝ダリアを見に行くと

            葉っぱが幾分か生気を取り戻したようだ。

            明日は

            もうちょっとマシな支えを作ってもらおう。