夕暮れ時・逢魔が時
午後6時36分
山姥桜の向う側に長月のお月さまがいらっしゃった
山姥桜の向う側に長月のお月さまがいらっしゃった
夕暮れ時
二階の裏山側の部屋で洗濯物をたたんでいると
法師蝉が桜の木の何処かで威勢よく啼いていた
裏山では蜩が啼いている
今日は暑い9月の1日だった
暑さにめげていたけれど
この時
裏山からの風は冷たく心地の良いものだった
しばらく聞き耳を立てていると
やがて
蜩は裏山の奥の方へ行ってしまったのか
その声はか細くなっていく
地面では秋の虫が囁くように鳴き始める
いよいよ夕闇が迫るころ
法師蝉の声も遠くに そして切れ切れとなり
地面の虫たちの歌は大合唱になっていく
これからしばらくの間は
子守歌は秋の虫たちの合唱だ
邯鄲の声を聞くと秋が来たなと思う
夢を見られるような気になるからだろうか