青空に富士山 夜空に月星
午後8時57分
8月になった
小学生の頃はまだ余裕に惚けていたこの頃
地獄を見るまでに後27日ほどの間があった
昨夜 午前1時半頃
階段を上りきったところの窓の外を見ると
星が瞬いていた
星が輝いているその新鮮さに驚く
梅雨に入ってから 山姥村は霧に閉ざされ
青空は時には見えたが 夜空とは切り離されていた
重い雲と霧に阻まれ 夜空の星を忘れていた
一夜明け
ヒグラシの大音声で目を覚ます
カーテン越しでさえ 眩しい陽の光
富士山に目を移す
真っ青な空に白い雲が浮かび 真っ黒な富士山がいる
とても安心するワタシの心にワタシが驚く
お町まで車を走らせると
いつも日陰の蛇行する山道はまだ湿っているが
山の雑木の葉はキラキラと太陽を謳歌している
垣間見る対岸の山姥村の裏山の向こうから
白い雲が幾つも生まれ出てくる
やっと夏が来た
先ほど
桜の木の向こうの月と目が合い 挨拶を交わした