Y版山姥日記

旧山姥日記

カラスが帰ってきた日

7月1日

午後6時15分
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            雨が降り続ける

            鬱陶しい天気はいつまで続くのか


7月2日

午前8時15分
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            昼少し前 雨は上がりそうな気配を見せる

            霧は山の斜面を十二単のお引きずりのように

            静かに嫋やかに天へと登ってゆく

            重い大気をかき分けて 霧が登って行く山の色は

            真夏を目前にした若者のように 期待に満ち溢れているようにも見える

            そんなこんなで 運転席から見える里の風景

            雨にしょぼくれた花々の中に

            アタシは元気でゴザンスよと空に向けて咲くグラジオラスの極彩色

            赤も黄色も白も 元気がよくて困ってしまう


            19歳の時 欧羅巴旅行をして フィレンツェで覚えた歌

            咲いた咲いたチューリッパのフィオレ

            並んだ並んだロッソ・ビヤンコ・ジャウロ

            どの花見ても ビヤン・ビヤン・ビヤン・・・♪

            と、調子よく思い出し 一人きりなので大声で歌ってみたりもした
            

            向かいの山の合歓木林に花は見えず

            マタタビの葉の白さも なにやら陰鬱だが

            ここ2年ほど 潰えては読み返し また潰える本の題名を思い出して

            へこむ

            文庫本のくせして 真っ白なカバーに金文字のその題名は

            脳裏にこびりついて離れやしない

            これもまた へこむ要素だわ などと思う

                                 (長文になりそうなので申し訳ない)

            なんやかやと思いを巡らせていたら

            目の前に大きなトラックが2台も走っているのに気付く

            ちょっとちょっと この登りはきついんだから先に行かせてよ

            あんた達は遅いんだからさぁと口の中でごにょごにょ言ったが

            うな垂れたままワタシは後ろからノロノロと走る

            下りはお速いじゃぁありませんかとトラックを褒めたりして

            お町のお医者の待合室に滑り込む

            1時間以上熟睡のご褒美に預かり 診察は5分

            来月またお出で とお医者に有り難迷惑な誘いを受け

            大量の薬をお土産に帰宅

            

            雨は上がっていたが 青空とは無縁の山姥村

            山姥家上空にカラス夫妻を発見した

            ワタシがあまり遊んでやらなかったのが原因かどうかは不明だけど

            最近とんとつれない仕打ちで 鳴き声さえ聞けぬ日が続いていた


            そうそう

            一昨日も声だけ聞いたわねと記念写真を撮ってみた

                             https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/e/eikoobasan/20190820/20190820205836.jpg


         
            霧に閉ざされた生活にも飽きてはきたが

            もう少し我慢せねばなるまい