あれから14年
あの日
遅くに起きてきた太っ腹はテレビの映像を見て
「なんで消防車が来ないんだ。なんでだ」
そう言ってから暫く呆然としていた
あの頃は子供たちはまだ我が家で成長していた
その日の3日前だったと思う
まだ夜も明けぬころ
ワタシは
突然の恐怖で目を覚まし
大声で「
地震よ」と叫びながら家族を起こした
「何を寝ぼけているんだ」と太っ腹に叱られた
そして、あの日
静岡の山姥村はゆっくりと静かに、しかし不気味に揺れた
遠くで大きな
地震だと分かった
太っ腹は「大丈夫だ。ここは大丈夫だ」と再び眠りについたが
ワタシは階下の居間のテレビにかじりついた