Y版山姥日記

旧山姥日記

気だるい昼下がり

12月3日

午前9時38分
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12月4日

午前11時38分
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            昼下がり

            聞こえるのは
            柱の時計の秒針の音
            低音で響くパソコンのファンの音
            ストーブの上の薬缶の沸く音
            ラジオからの静かなピアノ曲

            西側の裏山に陽が隠れてしまうわずかな間
            冬の日差しが部屋の中にいっぱいになり
            一年のうちで最も好きなときを髣髴とさせる
           
            それは
            高校3年生の時のこと
            校舎の一階の教室の窓側の一番前の席で
            昼食後の授業で眠気との戦いに勝ったことはない

            卒業を目前に控え
            受験は終わらずにいたあのころ

            うららかな陽光につかの間の幸せを享受し
            これから来るであろう怒涛の人生も知らず
            夢見るだけの日々

            そのうたかたの幸せを破るのは
            高校のそばの幼稚園児の声だった
            子供たちの姿は自転車置き場の向こうで見えず
            楽しそうな声は今でも記憶の底に残っているようだ

            その声に現実に引き戻され
            目の前の古典の先生と目が合ったことも
            今になって はっきりと思い出した
            

            不思議なことに
            高校3年のあの瞬間から
            春まだ浅いうららかな陽光に包まれた昼下がりが
            一番好きな時間となった