気だるい昼下がり
昼下がり
西側の裏山に陽が隠れてしまうわずかな間
冬の日差しが部屋の中にいっぱいになり
一年のうちで最も好きなときを髣髴とさせる
それは
高校3年生の時のこと
校舎の一階の教室の窓側の一番前の席で
昼食後の授業で眠気との戦いに勝ったことはない
冬の日差しが部屋の中にいっぱいになり
一年のうちで最も好きなときを髣髴とさせる
それは
高校3年生の時のこと
校舎の一階の教室の窓側の一番前の席で
昼食後の授業で眠気との戦いに勝ったことはない
卒業を目前に控え
受験は終わらずにいたあのころ
受験は終わらずにいたあのころ
うららかな陽光につかの間の幸せを享受し
これから来るであろう怒涛の人生も知らず
夢見るだけの日々
これから来るであろう怒涛の人生も知らず
夢見るだけの日々
そのうたかたの幸せを破るのは
高校のそばの幼稚園児の声だった
子供たちの姿は自転車置き場の向こうで見えず
楽しそうな声は今でも記憶の底に残っているようだ
高校のそばの幼稚園児の声だった
子供たちの姿は自転車置き場の向こうで見えず
楽しそうな声は今でも記憶の底に残っているようだ
その声に現実に引き戻され
目の前の古典の先生と目が合ったことも
今になって はっきりと思い出した
目の前の古典の先生と目が合ったことも
今になって はっきりと思い出した
不思議なことに
高校3年のあの瞬間から
春まだ浅いうららかな陽光に包まれた昼下がりが
一番好きな時間となった
高校3年のあの瞬間から
春まだ浅いうららかな陽光に包まれた昼下がりが
一番好きな時間となった