三嶋暦
午前11時36分
雨が降っている
夜の山姥村は虫の声も聞こえない
今日から立冬までの間に吹く北風を木枯らしと言うそうだ
三嶋暦には
旧暦九月二十五日ひのえさる先負稲刈り始まる
と、ある
三嶋大社の三嶋暦を使い始めてから
季節の移り変わりと旧暦の関係などを面白く感じている
月の満ち欠けも興味深い
それに 例えば11月12日
「金魚餌を追わなくなる」と書いてある
三島近辺の自然の移り変わりが記されているのだ
山姥村とは少し差があるけれど 目安にはなる
昔の三嶋暦とは体裁は違うけれど
読んでいて楽しいカレンダーではある
陶器の文様のひとつに「三島手」と呼ばれるものがあるが
その文様は三嶋暦から付けられている
山姥村の古い家から出てきた昔の三嶋暦を見たとき
なるほどと合点した
農耕にこの暦がどれだけ大切だったかも
分かったような気がしたが 早合点かもしれない
雨はまだ降り続いている
明日もまた雨だそうだ
冷たい雨だ