Y版山姥日記

旧山姥日記

シーボルト日本植物誌 (フロラ・ヤポニカ)

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                     大場英章 監修・解説  ちくま学芸文庫
             
                            先日 東京都現代美術館に行った折に購入いたしました。
                            座敷童女2号が「ココの書籍は充実している」と言ったので
                            「ドレドレ?」と見てみたのですが・・・
                            彼女の好みの美術書が充実しているのでした。
                            美術館なので当たり前のことではあります。


     このご本は ご存知P.F.B.フォン・シーボルトさん(1796-1866)が
     例の日本地図持ち出し事件の後 帰国してから
     ツッカリーニさんという人と共著で出版した本の図版を
     縮小して掲載しているんだそうです。

     そのシーボルトさんとツッカリーニさんの本は
     全ての巻が出版されるのに35年掛かったとかで
     最後の巻はシーボルトさんの没後だったとか・・・
     大変な長丁場だったのだなぁと関心いたしました。

     シーボルトさんが日本中の植物の情報を得られたのは
     弟子の医師達の尽力によるものが大きいそうです。
     押し花にしたり 種子を集めたりと 日本人の当時のエリート達が奔走したらしいです。

     それと、図版の植物画の下絵は日本の絵師達の手によるのだそうです。
     その絵師達の下絵と 実際の植物画では相違が少しあるのですが
     ボタニカルアートは一種のカタログですし、
     外国の植物画家達の思い入れも入っているのかもしれません。

     前に 牧野富太郎博士の描いた百合を見たことがあります。
     木版刷りの第一刷に 牧野博士自身が墨で彩色したものでしたが
     墨色一色なのに その迫力に圧倒されたことがあります。

     このご本の縮小されていないものを見ていないので なんとも言えませんが
     当時の植物画って 見るものに対するサービス精神があるというか
     迫力と言うか・・・ やっぱりスゴイなぁと感じました。



     このまま感想を述べていくと 延々と続いてしまいそうなので・・・
     
     日本が開国する前後に入ってきた外国の人に
     日本がどういう風に見えていたのか、考えているとなかなか面白いです。
     
     当時のヨーロッパでは 氷河期以降 植物の数が減ってしまっていたので
     日本の植物がシーボルトさんによってもたらされ
     庭造りが画期的に変化したそうなのですが
     氷河期って・・・氷河期以降って・・・
     えーっと・・・ この前の氷河期は何時だったっけ?と悩みこんで
     この感想文を終わりにしたいと思います。


                           この前の氷河期って何時だったっけ?