Y版山姥日記

旧山姥日記

2月3月の読書記録

3月の読書記録
読んだ本の数:6

英雄の書〈上〉 (新潮文庫)英雄の書〈上〉 (新潮文庫)感想
確定申告の計算中に読了。息子のSOSにバァバは孫のために駆け付けた調布のとあるスーパーの横の書店で購入。山の中に棲んでいると本屋さんに出会うとついつい寄り道し、買ってしまうのだ。いかんいかんと思いながらも書架を廻り徘徊し回遊魚か浮遊霊のように行きつ戻りつ・・・。いやここはバァバが何をしに息子夫婦の所へ来たかと使命を思い出しスーパーで買い物しに行かねばと思いつつも、宮部みゆきは見過ごせなかった(嗚呼)で、下巻へと読み進める。税金の計算もせねばならん(泣)


読了日:03月02日 著者:宮部 みゆき
英雄の書〈下〉 (新潮文庫)英雄の書〈下〉 (新潮文庫)感想
あらぁ・・・。ずいぶんとやっつけ仕事風に終わっちゃったのねと、思う部分もある。大人になったワタシはそう思うのだ。子供だったワタシはこの本を読んだ後、どういう風に思うのだろう。ああ~面白かったと思うような気がする。冒険譚は面白いもの。で、次の「悲嘆の門」を図書館に予約を入れた。子供のころから何度も読み続けている「秘密の花園」だって、大人になってから読むと違う風景を想像していんだろうなぁ。どこでもドアがあったら、子供のころの自分に会いたいなぁ。で、言ってあげるんだ「楽しい未来が待ってるよ」って。
読了日:03月07日 著者:宮部 みゆき


悲嘆の門(上)悲嘆の門(上)感想
「英雄の書」がお子様ならこちらは青年。主人公の年齢によるものかもしれない。どんどん引き込んでゆく宮部さんは、さすがね。でも、導入部が長い。ユーリはどこで出てくるのかと焦らされて・・・。やっと出現し、下巻へと続く。
読了日:03月10日 著者:宮部 みゆき


悲嘆の門(下)悲嘆の門(下)感想
せねばならぬことを最小限に留め、一日中本にかじりついて読了。これをハッピーエンドと思うか否か、それが問題だなどとハムレットのように思い悩むこと2分。ああ面白かったと、久しぶりに声を上げた。宮部みゆき宮部みゆき!と思う。「上」の導入部のあの小さな女の子の無垢が最後につながるのか。でも、5歳の子って案外オトナなんだけどなぁ。青年、生きるってかなり大変なんだよ。けれど、一生懸命に生きるって楽しいよと、主人公に言ってあげたい。
読了日:03月10日 著者:宮部 みゆき


おらおらでひとりいぐもおらおらでひとりいぐも感想
作者の若竹さんは「虔十公園林」がお好きなのだろうか。ワタシは賢治のお話の中で「虔十公園林」が一番好き。このご本の通奏低音(か?)となっている宮沢賢治。流行ってるなぁと思う。小さい時から幾度もあった宮沢賢治ブーム、今もそうなんだね。で、身につまされる。作者より私は一つ年長だけど、同じ時代を生きてきたんだもんね。共感する部分はたくさんある。作者の年齢はともかく、こういうご本に賞をくださった芥川賞も捨てたもんではないね。桃子さんと同い年になるまであと10年。桃子さんのように熟成されるか否か、いささか心配だわ。
読了日:03月23日 著者:若竹千佐子


ノボさん 小説 正岡子規と夏目漱石ノボさん 小説 正岡子規と夏目漱石感想
小説と分かっていても、子規の漱石の思いがこの通りであったろうと思ってしまう。子規の死以降の文章は涙が邪魔だった。文学とはと大上段に振りかざすつもりはさらさらないけれど、命を削る仕事なんだなぁ。芸術はみんなそうなんだろうけど…。伊集院静さんのご本は恥ずかしながら初めてで、こういう文章を書く人だとは思っていなかったので浅田次郎さんの時と同じように「申し訳ありません」と(俳句のねーさまに借りた本だけど)謝っておいた。淡々と描かれてはいるが若い文学者の熱意と伊集院さんの熱意が伝わってきて、面白かった。
読了日:03月29日 著者:伊集院 静







2月の読書は

かぐや姫の罪 著者 三橋 健
息子の結婚式は富士山本宮浅間大社で挙げていただいた。親族控え室の新郎新婦の背後にはあの富士山の(富士山に仏様と登山者が描いてあるアレ)絵。近くの大きな神社だったから。孫のお食い初めの時、お浅間さんの小石をお借りした。宮司さんは笑いながら「煮沸消毒してくださいね」とおっしゃっていた。富士山周辺に住む者にとってはお浅間さんの木花之佐久夜毘売命さんは馴染みの深いお隣の神様みたいな方で崇敬されている。しかもお隣の富士市にはかぐや姫の公園もあり馴染み深い。罪ねぇ。そうなのねと思っただけ。


溝猫長屋 祠之怪 著者 輪渡 颯介

昨晩、この本をずっと読んでいた。残りを今夜読了。今日はとても親しい友人の葬儀で泣いて泣いて泣き疲れて新幹線で爆睡し、帰宅後また読んだ。とても悲しいのに、この楽しい本を読んでいるのが心苦しかった。けれど、この本に逃げることを彼は許してくれると思う。4人の少年の怪奇談で、亡くなった彼と彼の妻(ワタシの親友)と夫とワタシはとても若いころから仲良しだった。ワタシたちがいろんなことを通して大人になっていったことを思い出させてくれたような気がする。こういう読み方もあるんだな。読書が心を鎮めてくれると実感している。


この2冊だけ





伊集院静の「ノボさん」
何年か前に根岸の子規庵に行ったことがあって
子規が寝ていた場所で寝っ転がって庭を見たり
ちゃんと座ることができない子規のために
片膝が当たるところだけ切れ込みがあった机を思い出したり
したことを懐かしんだ。