Y版山姥日記

旧山姥日記

7月の読書記録

2016年7月の読書メーター
読んだ本の数:11冊
読んだページ数:3114ページ


http://ecx.images-amazon.com/images/I/51BgewKnhOL._SX100_.jpg希望荘感想
小泉孝太郎くんの面影は濃い。払拭できない。いいことか否かはわからない。けれど、やっぱり最後は救いのない物語だった。ハッピーエンドを期待したわけではないけど、救いがどこかにあると読後感もいいのにね。ただ、救いがなくても、杉村三郎くんの誠実さは好感も持てる。でも、いい人すぎるって気持ち悪いよね。って思うワタシのおへそは横っちょについている。面白かったけど・・・。
読了日:7月31日 著者:宮部みゆき



http://ecx.images-amazon.com/images/I/51Km7Do-8mL._SX100_.jpg大奥の座敷童子感想
幻想郵便局(シリーズ)とも違う物語だった。月夜彦は怖かったけど。泣きジジさまがもう少し活躍したらいいのになぁ。とも思うけれど、まぁいいか。開国前夜のニッポンがこんなにのんびりしていたとは思わないけど、こんなふうだったら、今のニッポンはないよねぇ。
読了日:7月22日 著者:堀川アサコ



http://ecx.images-amazon.com/images/I/41-12LYFCJL._SX100_.jpg咲くや、この花 左近の桜感想
尻切れトンボみたいだなと思ってもみた。でも、これでいい。長野まゆみだもの。桜生と桜蔵。桜の生まれと桜を守るもの。旧姓が桜に因んでいるし、我が家にも大きな桜の木があって、だから、櫻への思い入れは強い。う美しい最後だったのが嬉しい。
読了日:7月21日 著者:長野まゆみ





http://ecx.images-amazon.com/images/I/410QTSpuc6L._SX100_.jpg左近の桜感想
5月に読んだ「冥土あり」で長野まゆみを見なおしたのに・・・。この雰囲気の作家なのだ、もともと。それを好きで読んでいた。だからよい。次のを読もう。二冊借りてきてあるのだから。望月通陽の絵はやっぱり好きだなぁ。
読了日:7月17日 著者:長野まゆみ






http://ecx.images-amazon.com/images/I/51nniCZx0JL._SX100_.jpg渡りの足跡感想
以前にも、エッセイとか随筆は好きではないと書いたけれど、梨木さんのは例外中の例外。[不思議な羅針盤」も読んだ。この本は、果たしてエッセイなのだろうか。紀行文だし、野鳥観察記録出し、ヒトへの想いを書いた作品だと思う。最後の「さあ出発しよう」から始まる五行に心を打たれて泣いた。
読了日:7月16日 著者:梨木香歩





http://ecx.images-amazon.com/images/I/51qmzxjhvzL._SX100_.jpgみずうみ (新潮文庫)感想
癒やすとか癒やされたとか癒やしとか、とにかくその言葉は嫌い。気持ちが薄っぺらになるほど世の中にあふれている言葉だから。そんなにみんな癒やされてどーしたいんだよ、と、おへそが横っちょについているワタシは思う。人に癒やしてもらうことは不可能だと思っている。時分で考え、傷つき立ち直っていくことしか出来ない。けれど、傍に誰かがいてくれることが可能なら、とても良い。無理なら息を殺して死んだふりして寝ることだ。みんな、起きて呼吸できるようになってよかった。
読了日:7月9日 著者:よしもとばなな



http://ecx.images-amazon.com/images/I/51abOTNLlTL._SX100_.jpg([ほ]4-1)活版印刷三日月堂 星たちの栞 (ポプラ文庫)感想
「恩寵」を読み終わったあと、読む本がないと言っていた夫に渡す。家庭内又貸しで、H市図書館ごめんなさい。で、夫もほしおさんのご本を気に入ったらしい。で、今度の三日月堂。三日月堂なんていい名前じゃないねぇ。しかもお菓子屋さんではなく活版印刷所で。カムパネルラもジョバンニもザネリの名さえ出てくるなんて。インクと言わないでインキという。なんとも懐かしい響だ、インキ。あの活版印刷所の音が聞こえる。もちろんワタシの脳内でだ。息子夫婦の暮らしを思い返す。実に懐かしい暮らし方をしている。 本当に懐かしい音だ。
読了日:7月9日 著者:ほしおさなえ



http://ecx.images-amazon.com/images/I/51dXVs4GVeL._SX100_.jpg三軒茶屋星座館 春のカリスト感想
リリー・・・。生きるって結構大変なんだよね。面白かったけど、アナタは何処に向かっているの?と聞きたくなる。って、誰に聞きたいんだろう。自分かなぁ。
読了日:7月8日 著者:柴崎竜人







http://ecx.images-amazon.com/images/I/51J6ffUYBCL._SX100_.jpg夏のキグナス 三軒茶屋星座館 (三軒茶屋星座館・夏)感想
三軒茶屋星座館 前巻までのあらすじ」にちょっとタジロギながらも楽しく読む。が、本編は「東京バンドワゴン」と同様な感じがする。登場人物はみんな好い人だし、大事件があるわけでもない。この本の前に読んだ本が重い内容だったので救われた気もする。渋谷にあったプラネタリウムに小学生の時からよく行っていた。現在住んでいるところの近くに富士山の見えるサービスエリアで有名な富士川サービスエリアがあって、そこにプラネタリウムがあるときく。今度行ってみよう。
読了日:7月4日 著者:柴崎竜人



http://ecx.images-amazon.com/images/I/51VODRTc3nL._SX100_.jpg帰郷感想
小さいとき、たぶん物心はついていたから昭和30年代前半だろう。渋谷のガード下に傷痍軍人がいた。その真向かいは不二家のペコちゃんが首を振っている不二家売店だった。その売店のすぐ横で中学生のときだったか、バナナのたたき売りを最後に見た。けれど、復員兵を見たことはない。浅田次郎さんとは二歳違うので、次郎さんは復員兵を知っているのかもしれない。親類の生き残ったおじさんたちは戦地に行ったことがない人ばかりだったので、戦地の事も語られなかった。語られたのは東京大空襲だけだ。悲惨な話だった。表紙の帰還兵が哀しい。
読了日:7月3日 著者:浅田次郎



http://ecx.images-amazon.com/images/I/51kNIJ9NJYL._SX100_.jpg空き家課まぼろし譚 (講談社ノベルス)感想
最後で泣いた。生まれて、ここに居ることの不思議さを噛みしめる。大切な人を失った人たちが生きて此処にあることを幸せに思ってくれればいいと思う。お子ちゃまのお話とは思うけど、どこか都合の良いお話ではあるけれど、生きることを肯定していることが泣ける。
読了日:7月1日 著者:ほしおさなえ






梨木果歩さんの【渡りの足跡】が秀逸だった。
淡々と鳥類のことを書いてゆく。
エッセイというよりは観察記あるいは紀行文だと思う。
ぐだぐだと自分のことを書いたりしないところが好きだ。

浅田次郎さんのご本は圧巻。
浅田さんもワタクシ共夫婦も戦争を知らない子たちだけど
彼の情報収集力とか洞察力はすごいと感動する。




天気のスッキリしない月だった。