1月24日の富士山・仙人掌の生き方
1月24日午後2時4分頃
お昼頃
一瞬だけ、真っ白な
本当に真っ白な頂上付近が見えたのだけど
気がついたときには
もう雲の中に姿を消していた。
昼前
片付けをしていてテラリウムのガラスの器を割った。
ドーム型で前面に小さな入り口があって
サボテンが棲息していた。
柱仙人掌の仲間の仔は
ドームの天井に頭がつっかえてしまって
ムーミン谷のニョロニョロがコンニチハをしているみたいに
曲がって伸びていた。
割れてしまったものは元には戻らない。
覆水盆に帰らず
とか、
盛者必衰の理をあらわす
とか、
会うは別れの始まり
とか・・・
で、
この仔たちをどこに棲まわせるか
が、問題となって
娘と話し合っているところへ夫がやって来た。
「ちょっと待ってて」
と言うなり、仕事場へいき
何分経っただろうか
珪砂と茶盌を持ってきた。
ドームの中に入っていた仔たちは
生き残れるか否かの瀬戸際を経験した後、
生きる場を与えられ
しかも天井もなく伸び伸びと
曲がっていた仔はすっと立ち
針の鋭さを誇っている仔も
その頑健な身体はしっかりと大地を掴み
仙人掌の未来は
明るい
と、思う。