1月4日の富士山・残照
1月4日午前9時13分ごろ
向かいの山の天辺辺りから南アルプスが見える日がある。
静岡は南アルプスの辺境にあるのだ。
夕方5時過ぎに向かいの山をお町方面から我が家へ向かっていた。
雑木の多いこの山の木々は
沈んでしまった太陽の残り香のようなシルエットとなり
春になれば桜が咲き誇り
夏には合歓木のあの優しい花が咲く。
あの辺りから見ると
我が家の裏山の少し左側に陽は沈んだのだろう。
山を下り、集落を通り抜け
また山道を登ると我が家がある通いなれた道。
時々、ほんの時たま
路肩に車を止め見つめていたくなるような
壮絶な美しい景色になるときがある。
空の色も
山ひだの影の濃淡も
季節ごとの山の色も香りも
野良で働く年寄りたちの景色に溶けている様子も
何もかもが愛おしく抱きしめたくなる事がある。
残照の色に心震えた夕刻。