三月にさよならを言って月を見上げた・3月31日の富士山
3月31日
午前9時12分頃
午後5時51分頃
なんだか
よく分からないままに過ぎてゆく
弥生三月
夜のニュースでは
東京の桜は七分咲きとか言っていた
でも
我が家の桜は三分咲きほど
山姥村の中でも咲き方が遅い
こんなに待っているのに
身を捩って焦れているのに
貴方ってつれないわね
そう見上げても
貴方はどこ吹く風の知らん顔
夜に入り
桜の樹上に月が輝く
昨夜のような光はないが
少し欠けた月は
風情があって粋なものよね
と
桜に話しかけても詮無いことだ
甘いものが食べたいけれど
ドウしたことか買い置きがない
仕方がないから
ナッツをかじり珈琲を飲む
田舎はイヤね
と
桜に話しかけても致し方ないので
亭主に
明日はコンビニデートしようねと言ったら
一人で行けばと無言の返事が返ってきた
これから一人で車をぶっ飛ばしても良いんだけど
月夜の田舎道の墓場横は
真実 怖い
大概の怖いものは笑って見なかったことにするが
そのお墓横の道は今晩の様な月夜は避けたい
弥生三月花盛りの筈が
寒い寒い春が来て
富士山も姿を見せることが少なかった
待っていればきっと桜は満開になるだろう
それに
今年の山姥桜は
例年にないほどの蕾の数で
満開になれば
それはそれは豪奢だと思う
だから
貴方を待つわねと
桜に伝えた
バイバイ三月
またね