冷たい雨
つい今しがた
小次郎と夜のお遊びをしようと外に出ると
雨
なんて冷たい雨だろう
その雨の中で小次郎はボールを捜す
ワタシの「ボールは?」に反応はするが見当たらないらしい
仕方なく木っ端をくわえた小次郎だが
さすがにワタシの所までは持ってこない
自分がくわえた物がボールではないことが分かっているのだ
でも、ワタシと遊びたいというジレンマが小次郎を襲っている
ついに
それまで捜していなかった場所にボールを見つけ
誇らしげに小次郎はワタシを見た
雨の日も風の日も雪の日も
作ってあげた立派な小屋には入らずにいる小次郎は
暑い夏が去って一安心し 寒い冬の訪れをどう思っているのか
人間の言葉は話さないけど
小次郎の表情のなんと豊かなことだろう
小次郎の表情のなんと豊かなことだろう
「ごはん?」と聞くとおとなしく待っている
「おやつ」の一言にはメロメロの様子で涎を出して待っている
山姥家の一員である小次郎も食い気だけで生きてるのね
仕方ないわよ家族だから・・・と、思う
小次郎