Y版山姥日記

旧山姥日記

夜の梅

横浜からの帰路。
御殿場で東名を降りると太っ腹が
「虎屋で羊羹を買おう」と言ったのです。

イメージ 1


                長年の想いに終止符が打たれ
                いろいろな意味での「ご苦労さん」の気持ちだったのでしょう。
                虎屋の羊羹の中でも「夜の梅」はワタシの大好物です。

                自分の母親の葬儀の後、妻の好物を買おうと言う心の内に
                複雑な感情が太っ腹の中で渦巻いているのだろうと思いました。

                その気持ちは痛いほど分かります。
                沢山のことがありましたから。

                写真撮っちゃおっ
                そういうワタシの気持ちを太っ腹は理解していると思います。
                本当にいろいろなことがあったのですから。


イメージ 2


                「お汁粉も食べていくか」と太っ腹が言います。
                そんなにしてくれなくていいよと返事をしました。



                愛憎・悲喜交々・反面教師・・・
                そんな言葉が私の頭の中では繰り返されていました。
                それも終わりを告げたのです。


                長い長い年月をたくさんの感情に苛まれ
                どれだけ悲しい想いをしたか・・・
                そんな事もどうでもよいことだったと気付くのに
                この年月はあったのだと思いました。

                嫁として 最後に交わした言葉は
                それまで思ってもみなかった優しいものでした。
                昨年の5月のことです。
                その言葉が最後になったことは
                これからのワタシの人生にとって宝物かもしれません。


イメージ 3


                虎屋から東富士演習場のそばを通って帰宅するその途中
                薄い雲がかかったお月様が優しい色でススキの原を照らしておりました。