Y版山姥日記

旧山姥日記

増補版 図鑑の博物誌

                 1994年第一刷
                 荒俣 宏著
                 集英社文庫 
                                  
この本は、かなり昔に古本屋さんで買ったので
カバーもついていなければ、当然帯もありません。

買った当初もそうでしたが
片時も私の机から離れた事がない本の中の一冊です。

表紙をめくると図版の多さが、何はともあれ嬉しい

目次     前書き 筒井康隆
       第1部 博物図鑑の歴史と背景
       第2部 秘伝博物画伝
       第3部 日本の博物図鑑

この本の何が面白いかというと、よく解らないです。
けれども、知的好奇心は満たしてくれます。

文庫本なので、図版はやっぱり見難いです。
老眼鏡使用者には酷です。
もっと大きな、見やすい本で読みたいです。

この本は、古今東西(?)の図鑑の解説をしているのです。
ナポレオンの妻ジョセフィーヌの薔薇を描いたルドゥーテや日本の「本草図説」・・・

名前は知っていても、中身はよく知らないのに
なおさら じれてしまうのが、この本の特徴だと思っています(私には)
                                        だって、よく見えないんだもん図版!
                                        仕方がないので老眼鏡+天眼鏡使用



この本と並んでいるのが
昨年秋に「東京都庭園美術館」で開催された「庭園植物記」展の図録 

美術館に行っても、図録など買ったためしがない私ですが
コレだけは、出口で買い求めました。

この美術展は、絵画・版画・デッサン・写真と
日本での植物に関するものが、多数展示されていました。

中でも特に注目したのが

牧野富太郎先生の『大日本植物誌』のさくゆりの図版に墨彩したもの。
大きな作品ではありませんでした。
墨彩ですから、当然 白黒です。
が、とても美しい。

それから
中川幸夫さんの作品の写真。
先年、織部大賞を受賞なさった中川さんの1960年代からの作品の写真でした。
赤がとても美しかった。

それと
南方熊楠のきのこ類の研究メモ
胞子も小さな袋に入れてメモに貼り付けてあるそうな。
迫力です。

もうひとつ
荒木経惟さんの花の写真。
コレはとてもエロティックでした。
あの有名な作品です。

この東京都庭園美術館というのは、旧朝香宮邸です。
建物自体が美しく、ゆったりとした午後を過ごせました。

     図鑑は面白い!